アルバイト求人を見ていると、なぜか高校生だけ低い時給が設定されていることがあります。大学生やフリーターと比べて50円の差があったりし、とても不公平を感じる方も多いのではないでしょうか。仕事内容が高校生とフリーターとでは違うというのなら理解できると思います。
しかし全く同じ仕事だった場合、違法じゃないの?とか思ったりすることもあるでしょう。では、なぜ高校生だけ時給が低いのでしょうか?また時給の差が嫌な場合、どんなバイトをすればいいのか?この記事では高校生の時給が低い理由について詳しく説明していきます。
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高校生だけ一般と比べて時給が低いのは違法?
バイトサイトなどで「高校生は時給860円、大学生は時給900円」というような記載がある求人を見かける方も多いと思います。このような時給の差を見ると「違法では?」と思ってしまってもおかしくありません。
しかし実は違法ではありません。残念ながら法律的には問題はなく、2020年4月の法改正により同一労働同一賃金が適用されましたが、まだまだ時給の差はあります。基本的に違法のケースとしては、国籍、社会的身分、性別などで時給に差をつけるというのは違法となっています。
(第三条 均等待遇、第四条、男女同一賃金の原則 労働基準法)
ちなみに正社員でも給料に差があったりします。大卒と高卒では給料に差があるのは有名で、能力や知識などが違うと判断されている為か、大卒の方が給料は高いです。このように時給や給料については同じ仕事をしているのに差があるのは仕方ない、と思うしかないでしょう。
2023年7月現在は法律的には問題ないのですが、非正規雇用が多くなってきている昨今、今後より一層労働環境が良くなる為に法改正をする余地はあるでしょう。また、高校生だけ時給が低いのに嫌であれば、後述しますが初めから時給に差をつけている会社を避けてバイト応募するのが無難です。
高校生の時給が最低賃金を下回るのは違法
高校生も同じ労働者ですから最低賃金を下回ることはありません。雇い主はその地域の最低賃金以上の時給を設定しなければなりません。地域別の最低賃金を見て、自分が住んでいる地域の最低賃金よりも基本給が低いということになればそれは違法になります。
この問題は高校生以外の方(一般)も当てはまりますので、もし最低賃金以下でバイトをしているという方は完全にブラックバイトをしている状態です。よって、まずは現在お住いの地域の最低賃金について知っておくこと、そして労働基準監督署や労働相談窓口のような所で相談をしましょう。
最低賃金を調べる場合は次のサイトが役立ちます。
参考 地域別最低賃金の全国一覧厚生労働省以前別の地域ではこのくらいの最低賃金だったのに、別の地域に引っ越すとそこよりも賃金が低いということがあります。この場合は違法ではないです。また、最低賃金は毎年変更される可能性があるので、その都度調べて確認しておきましょう。
なお、高校生に限らず試用期間が設定されている際には、その期間中に限り最低賃金に満たないことがあります。この時給については法律で認められていますので、覚えておきましょう。
高校に行ってない場合の時給は?
バイトの時給で「高校生が900円で一般は950円」との記載がある。しかし高校に行ってない方もいるでしょう。この場合はどちらの時給が適用されるのか?と思いますが基本、このような場合は今の年齢で決められるケースが多いです。
なので身分的には高校生ではないけど、高校生扱いとなる場合が多く、時給は安くなる可能性が高いです。
高校生の時給が低く設定されている訳とは
高校生の時給が低い理由を調べたところ、様々なワケがありました。以下のような理由により時給が低く設定されている場合があります。今後、バイトをする予定のある高校生は必見です。この時給のギモンについて解説していきます。
社会経験が少ない
仕事以外でも覚えることが山ほどあります。その一つとして社会的なマナーを身に着けることです。何時であっても出勤の時には「おはようございます」と挨拶をすることや、帰る時には「ごくろうさまでした」ではなく「お先に失礼します」と言って仕事を終える。
挨拶だけでも学ぶことがたくさんあります。社会経験が身についてくる大学生以上となれば、そういったことは当然なので説明の必要がありません。しかしながら、高校生には雇った側が一から教育をする必要があり、負担も大きくなりやすいです。またお店によっては高校生バイトの時間帯は他の時間帯に比べて苦情が多い場合もあります。
特に接客にクレームが多く、それが時給の低さにつながっている可能性もあります。例えば、コンビニでは多種多様な商品を取り扱っていますから、商品の場所や在庫を聞かれることも多いでしょう。もし、欠品していた場合に「ありません」「わかりません」だけでは決して接客態度が良いとは言えません。
瞬時に判断して対応しなければ、店の評判も悪くなってしまいます。時給をもらって雇われてるのですから、そのお店のためにプラスになるような働き方をしなければ、時給のアップは見込めないかもしれません。
バイトの経験不足
高校生になったらバイトが出来ます。人生で初めてのアルバイト、右も左もわからないですよね。おそらく勤務先にはバイト経験豊富な先輩方がいて、指導やサポートしてしてもらいながら、徐々に仕事を覚えていくことになります。
一方、過去にいくつもバイトを経験してきた大学生やフリーターなら、少しだけ説明を聞けば、ある程度は最初から任せられる仕事があるでしょう。このように高校生はバイト経験が少ないため、時給が低く設定している場合があります。
またバイトの経験が豊富な方を積極的に採用したい、という企業もあります。そのような企業は高校生でも出来る仕事であってもあえて「高校生不可」と求人要項に記載している場合もあります。
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良く休む・辞める為
高校では、中間・期末などの定期テストが年におよそ5回あります。高校生はテストごとに1~2週間の休みを取る人がほとんどです。つまり、その休みの間は、他のバイトやパートがシフトを組みなおして、出勤していることがほとんどです。
それに比べて大学生の定期テストは、ほとんどが年に2回なので、高校生ほど頻繁に休むことはありません。さらに、良く辞められるというのも影響していると思われます。特に学校の成績が落ちた場合、学業を頑張りたいのでバイトを辞めます、というような理由により辞める方もいます。
また場合によっては本人からではなく、親が辞めろと言っている、というようなケースもあり、高校生は大学生より休みが多く会社にその分負担がかかるので、大学生より安い時給になっていると言われています。
働く時間帯が決まっている為
18歳未満が働くことのできる時間帯は労働基準法で決められており、原則として朝5時~22時とされています。そのため、18歳未満は希望をしても深夜帯に働くことはできません。
一方、23時以降も働ける大学生やフリーターは、コンビニなどの24時間営業のお店では、非常にありがたい存在です。労働時間の融通をきかせてくれるので、雇う側としてはとても助かります。他にも8時間以上の勤務は、18歳未満の場合は違反となってしまいます。
このように、高校生は時間的な自由度が低いため、時給も低くなることがあります。但し高校生でも18歳になれば、深夜の時間帯にバイトをすることが出来ますが、現状そう簡単に上手くいかない部分もあるようです。
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あえて時給を下げている
バイト募集の特徴として、時給が低いものより高いものの方が人が集まりやすい傾向があります。つまり時給を高く設定すれば、たくさん応募がくるという訳ですが、時給の高い低いにかかわらず、高校生に人気のアルバイトというのもあります。
このようなケースでは、時給を低く設定しても良い人材は集まりやすいです。逆に高く設定してしまうと、応募数が多すぎて選別するのが大変になります。このような状況であれば、あえて時給を下げるという可能性も考えられます。
同業種の時給に合わせた設定の為
時給の設定は、最低賃金を上回ってさえいれば、雇い主が自由に決めることができますが、時給の設定に迷う場合などは、似たような業種の近隣会社などを参考にしていることもあるようで、その地域ではおおよそ同じ時給になってしまうという実態もあります。
ライバルとなる会社がどんな時給の設定をしているのか?ということですね。ここで高校生と大学生に時給の差があれば、そのまま同じような時給に設定しているような場合もあります。
高校生だけ時給が低いバイトが嫌!そんな時におすすめのバイトは?
一生懸命バイトをして、同じ仕事量だしそれ以上仕事をしているのに、時給が低いっておかしい!と思う人も多いでしょう。そのような思いが強いなら、時給の差がないバイトをしましょう。最近は高校生も大学生と一緒の時給となっているバイトも増えてきています。
色々とバイト求人を見てみると、意外と多くあります。例えば・・・
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- 宅配のパルシステム(冷凍食品の工場での仕事)
- コンビニ(大手)
- ファストフード店(大手)
- 居酒屋
- カフェ
などなど身近な職種なども多く、高校生も同じ時給で働くことのできる店舗も多かったので、もし今のバイトの時給に不満があるのであれば、高校生でも時給の良いバイトに変えてみる、というのもお勧めです。っていうより、時給の高いバイトをした方がいいでしょう。
簡単な解決法は高収入のバイトを探す
高校生でも高収入のバイトをしてみるのもよいでしょう。なぜなら同じ時間働いても給料が全然違うからです。安い時給で働いている時と比べて、モチベーションが全然違います。「苦労の多い仕事だけど、時給が高いから頑張ろう!」と自分を励まし、乗り切れるかもしれません。
ただ、高収入というだけあって、大型冷蔵庫の中で働く仕事や、引越しのように重いものを運ぶ仕事など大変なことは多いです。それでも今までとは異なり、挫けず前向きに頑張ろうとする気持ちが強くなるでしょう。
また、すでにバイトをしているような方はなかなか簡単に辞めることが難しいでしょう。始めて数日程度ならすぐに辞めることも出来ますが、すでに1年など長い期間働いているのであれば辞めにくいですね。そこで以下のような交渉をするといいでしょう。
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すでにバイトをしていて時給が低い場合
時給を上げて貰う交渉をする
バイトをしている時に時給を上げて欲しいと思うのは普通のことです。ですが、実際はバイトで時給を上げて欲しいと思ってもまず上げてもらえないです。もっと高時給にしてほしいと思ったら、どうすれば時給をあげることができるのでしょうか?
時給アップを狙っている方は雇用主に交渉をして時給をあげてもらうことになりますが、この場合は自分だけでなんとかしようとしないで、他のバイト仲間を一緒になって現在のバイトの時給に不満があることを伝えるといいでしょう。
それはどうしてかというと、他の労働者もみんな同じように今のバイトの時給に不満があることを雇用主が知れば、時給を上げないと不満が噴出して事業そのものが危うくなる可能性もあるからです。
時給を上げてもらう為には自分だけで行動を起こすのではなく、同じバイト仲間で反乱を起こすくらいの勢いで今のバイトの時給に不満があることを伝えないといけないです。残念ながら一人だけ不満を言っても、他の者は不満を言ってないという風に適当にあしらわれる可能性があります。
仕事を一生懸命頑張る
高校生だからって、時給が安いのは納得いかない!と思っているなら、その気持ちをわかってもらうために、いっそう意欲的に働いてみてはいかがでしょうか。特に、他のアルバイトとは差がでるような頑張りを見せるのがポイントです。
例えば接客であれば、お客さんの顔と購入傾向をできるだけ早く覚えることで、スムーズに応対できるようになります。バイト先で「この子がいないときつい」と思わせるような働きを見せると、時給のアップの交渉も捗るでしょう。
そうでないと、「入ったばかりでまだ仕事も全部覚えてないのに、時給あげろとは非常識だ」と、逆に評価が下がってしまうかもしれません。交渉するならそれなりの経験値と能力が必要です。しっかり仕事も覚えて、少なくとも半年ほど努力を続けてから交渉しましょう。
努力できることは限りなくあります。仕事中はあちらこちらにアンテナを張って、様々なことにトライしてみてください。
またバイトを辞めます、と言った瞬間にコロッと態度が変わる方もいます。だったら時給を上げるよ、というような感じですね。もし辞めると言って時給がアップするのであれば、一度考え直した方がいいかもしれません。
高校生だけ時給が低い理由のまとめ
高校生の時給は、大学生や主婦と比べて低く設定されていることがあります。高校生は社会経験が少ないこと、また時間的融通がきかないこと、というのがその大きな理由でした。時給が低すぎる場合には、バイトを変えてみる、人並み以上に努力をしたり交渉をする。
このように時給をあげる工夫をしてみるのもよいでしょう。しかしながら、無理せず新しく高収入のアルバイトに移るのも一つの選択です。現在は、高校生も大学生やフリーターなどと同じ時給での求人も増えてきていますので、よく調べて納得のいくアルバイトに応募してみてください。